バカ親、バカ教師にもほどがある/藤原和博、川端裕人

バカ親、バカ教師にもほどがある (PHP新書)

バカ親、バカ教師にもほどがある (PHP新書)

 校長先生をされていた当時の藤原さんが、インタビューに答える形で構成
された本です。

 大きく分けて、いわゆる「モンスター・ペアレント」と言われる、過剰な
までに学校に要求をする親たちの行動に関することと、逆に、問題のある
教師の行動、親と子供のかかわりに関することを取り上げられています。

 まあ、モンスター・ペアレントの要求の事例に関して、「ここまで言うか?」
みたいなスゴイ内容が紹介されているのはお約束として、ここまで親と教師
の意識の乖離のあるところについて、藤原さんは、親と教師の間の信頼関係
の破綻があるとおっしゃられています。

 教師からすると、親が家庭でここまで躾けていて当たり前、と思っている
ことが身についていなかったり、逆に、親からして、ここまで学校で対応し
てくれて当たり前、ということのギャップが、埋めがたいまでに広がっている
ようです。

 その原因としては、親と教師の間のコミュニケーション不足というのがある
でしょうし、親の方からすると、非常に即物的になっているというか、すぐ
に結果を求めるということが問題なようです。

 そうならないためには、親と教師が角を突き合せてというのではなくて、
お互いコミュニティの一員として対処するようにして、「ナナメの関係」の
キャストが出てくることによって緩和するのではないか、とおっしゃられて
いて、学校としてそういう場を設けるようにした方がいいんじゃないか、と
いうことのようです。