なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか/本田直之

なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか

なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか

 現在、ヨーロッパでは、日本人シェフの存在感が相当大きくなって
いるそうで、ミシュランの星付きのレストランのシェフをされている方
も結構おられるらしく、その方々へのインタビューを通して、日本人が
グローバルな場で成功を収めるためのヒントをつかもうという、本田さ
んにしては、新しい手法での本です。

 思い切って飛び込んでみるとか、ちゃんと主張をするとかといった、
ありがちな内容もありますが、現在、少なくともヨーロッパの料理界に
おいては、日本人が共通して持つ特性が、かなり重宝されているよう
です。

 想像できるのは、東京オリンピック招致活動の時にもクローズアップ
された「おもてなし」の心や細やかなところにまで配慮を行き届かせる
ことができることということも語られていますが、フレンチでもイタリ
アンでも何人かのシェフが共通しておっしゃってたのが、いずれも、
日本人ほど集中力が続かない、ということです。

 要は、日本人と比較して精神的にムラがあるということですが、そう
いう部分でも日本人の特性があるんだなあ、というところに非常に感銘
を受けました。