京都ぎらい 官能篇/井上章一

 

京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)

京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)

 

 

 『京都ぎらい (朝日新書)』の続編にあたる本のようですが、その中でも特に性愛に関する内容に特化したモノのようです。

 今でこそどちらかというと京都を訪れる人は女性の方が多いくらいですが、かつて「京都に行く」と言うと女性を買いに行くということと同義であったということを紹介されているのがオドロキです。

 というのも、権力者がいてそれに群がるオトコ達のために風俗産業が発展し、さらにそれにオトコ達が群がるといった具合で、京都を訪れる人のほとんどが男性だったというのもうなづけます。

 そういう京都なので、官能的なことには事欠かないということで、磨き上げられた女性に骨抜きにされる田舎侍たちや、雅な天皇周辺の性の乱脈ぶりなど、京都周辺で繰り広げられる性風俗を紹介されています。

 色事と権力は常にあざなえる縄のごとしなのですが、雅な世界を描きながら、この本ヘタなエロ本よりずっとエロいです…(笑)