年金だけでも暮らせます/荻原博子

 

年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方 (PHP新書)
 

 

 テレビでもタマにお見掛けする経済ジャーナリストの方が語るリタイア後のおカネの話です。

 よく銀行などが投資マネーを引き出そうということで、老後の備えに数千万円の蓄えが必要だとかというセールストークがありますが、とうとう2019年前半には金融庁までがそんなことを言い出してちょっとした騒ぎになりましたが…

 そういう数字を聞くと、あと10数年でリタイア予定のワタクシどもとしても穏やかでは居られないところなんですが、荻原さんによると、金融庁の数字はともかくとして、銀行とかが必要だといっている数字はかなり“盛って”いうことが多いようで、実際にかかるおカネはかなり少ないことが多いということです。

 そういった不安をちょっとでも解消するために、保有資産や日々に見込まれる支出、リタイア後の見込み収入などを「見える化」することの重要性を強調されています。

 そうした上で足りないのであればどのように対策をするのかを考えて行けばよいということです。

 その一環として、多くの家計では少なからぬムダがあるということで、如何にしてそういった支出を減らすのかということも有効な対策になるということで、見直しのヒントを紹介されます。

 ただ“入り”を殖やすという意味での投資がよく取り沙汰されますが、荻原さんは投資には否定的で、どうしてもやりたいんであれば株を1つだけ買ってみて、株価が下がった時の自身のリアクションを見て、投資への適性を判断してみればよいとおっしゃられています。

 またちょっとでももらえる年金の額を増やすコツも紹介されていますので、年金と老後にかかるおカネを総合的に理解するためにもいい本ではないかと思います。