となりの億り人/大江英樹

 

 

 このブログでは『老後不安がなくなる定年男子の流儀』などリタイア後のおカネに関する著作を紹介してきた大江さんの近刊なのですが、この本はサラリーマンなど、割とフツーの人でも億を超える資産を形成している状況について紹介された本です。

 

 最近アメリカの若く有能なビジネスパーソンなどを中心にFIRE(Financially Independence, Retire Early:経済的に自立して早期に引退する)を志向する風潮があるということなのですが、早期に引退するかどうかは別として、リタイアまでに経済的な自立を果たせるかどうかは、多くの人にとってかなり重要なテーマなはずで、必ずしも資産家の家に生まれたりとか、一発当てたりするワケではなくて、フツーに会社勤めをしながらも1億円以上の資産を形成する「億り人」となる人が少なからずおられるということで、そういう人たちが「億り人」になった秘訣を探り当てたモノとなっています。

 

 フツーに勤め人をしている人だということで、基本的に爆発的に収入が増える可能性は、投資をしていたり副業で一発当てたりすることが無ければ、なかなかあり得ないワケで、突き詰めて言えば勤め人が「億り人」になるには、如何に支出をコントローするかということに尽きるようです。

 

 紹介されている人の中には、収入の8割程度を資産形成に向けた方も居られるようで、特に「天引き」での貯蓄など、ある程度の割合の収入を「なかった」ことにして貯蓄→投資に向けて、残りの部分で生活できるようにすることが「億り人」へのファーストステップとなるようです。

 

 その先は、あまり大きなリスクを冒さなければ、どんな投資手段でもいいようで、投資信託で「億り人」となった人の事例も紹介されていて、如何に支出をコントロールするのかがキモだということがよくわかります。

 

 まあ、50歳代を迎えたワタクシが今から「億り人」となるのはなかなかハードルが高いですが、ムスメ達にはさりげなくこの本を置いておいて、参考にしてもらいたいところです…