反応しない練習/草薙龍瞬

 

 

 先日紹介した『精神科医が教えるストレスフリー超大全』では、セクションごとに参考図書が紹介されているということに言及しましたが、早速そのうちの一冊で「悪意を向けてくる人の対処法」というセクションで紹介されているモノを手に取ってみました。

 

 この本は、僧侶をされている方がブッダの教えに基づいて書かれたモノなのですが、人間の多くの苦しみが、我々が日々目の前の事象に対しての「反応」に根ざすものだと指摘されています。

 

 多くの人は、目の前で起こった事象について「反応」し、自分なりの「判断」を下すことで、不快な思いをしたり、怒りを覚えたりするのですが、その不快な感情を生み出しているのは自身の「反応」なり「判断」であり、そういったことをしなければ不快な思いをすることはないワケだとおっしゃいます。

 

 だったらそんなことしなけりゃいいやん!?と思いますが、人間はそういった「判断」が大好きで、自身の承認欲求を満たすことにもなるので、それがなかなかやめられないということなのです。

 

 じゃあ、そういう「判断」するクセから逃れるためにはどうすればいいかというと、「自分がこう考える」とか「正しいと思う」とかといったことではなく、主観抜きの”ニュートラル”な目で、物事を見すえることだとおっしゃられています。

 

 ただ、そういった「判断」が人間の本能的なモノに根ざすものであるので、すぐにはやめられないので、徐々にそういう「判断」をしないようにするためには、「あ、今自分は”判断”している」ということを意識することが有効なんだそうです。

 

 そうした局面、局面の対応もありますが、妬みだったり、嫉妬だったりと言う感情を持ち続けることもありますが、そういうことから逃れるための対処法も紹介されているのですが、それもあくまでも「目の前のことに集中する」ということなんだそうで、目の前に集中して、キッチリ一つ一つこなしていくことで、そういう感情からも逃れることができますし、自身の成長にもつながるということです。

 

 なかなか崇高ですぐにどうこうできそうにはありませんが、少しずつこういう境地に近づいていけたらいいなぁ、と切に思います。