THIS IS JAPAN/ブレイディみかこ

 

 

 先日、左派的な観点から経済政策を語る対談本『そろそろ左派は<経済>を語ろう』を紹介しましたが、この本はブレイディさんが、日本でキビシい境遇に置かれた方々の状況を紹介されています。

 

 この本の最初の章で、風俗業界で給与の未払いを解消させる取り組みをされている方々を紹介されているのですが、その中で英国の労働者階級の人権意識の進化の段階について、

 

 ①労働者が闘う労働者を侮蔑して妨害した時代

 ②労働者同士が団結して戦う時代

 ③別の問題で闘っている団体とも協力する時代

 ④労働者たちが社会には様々な問題があることを近くできるようになり、

  ユナイトしてすべての人々の権利のために闘う

 

と紹介されているのですが、少なくとも風俗業界、実はかなり多くの労働者に取って、①の段階にあるのではないか、と指摘されています。

 

 さすがにその辺は英国が人権というものを流血の末に勝ち取ってきたのに対し、日本では与えられたモノに過ぎないので、”上”から否定されてしまうと引き下がってしまう程度の人権意識しか持ちえないという側面があるようです。

 

 もう一つ印象的だったのが、ご自身も英国で保育士として働かれているブレイディさんが日本の保育園を取材された時のことで、保育士一人当たりに見ていいコドモの数が非常に少ないということで、どうしても仕事をこなすといった感じになってしまう傾向が強いということです。

 

 言ってみれば、英国の保育所では保育士との交流を通じた知育といった制度設計をされているのに対し、日本では集団生活を送るのにふさわしい社会性を持った類型的な人物像を作り上げることにつながる制度設計となっているようです。

 

 そういうのって、よく堀江貴文さんが指摘されている従来の学校教育につながる部分があって、大量生産的なビジネスモデルに相応しい、従順で均一的な人物像を作り出してしまうということで、現在文科省が標榜している創造的な人材の育成とは程遠い状況なんじゃないかということを指摘されています。

 

 英国のワーキングクラスと言うと粗野で無教養といったイメージを持つ方が少なからずおられるんじゃないかと思いますが、日本人の、一応”ホワイトカラー”と言われるサラリーマンよりも、ずっと自身の人権について深く考えておられるようで、日本人もそうあらねば…と思いますが、強権的な支配を標榜しているようにしか見えない昨今の政権は、そういう自律的な考え方をするようになってしまったら困るんで、やらないのかな…例え、国際競争力でジリ貧になってしまっても…