ふたつの日本/望月優大

 

 

 

 

 日本の移民政策に関する本です。

 

 この本が出版されたのが2019年ということで、元々どちらかというと移民政策には消極的だった日本政府が空前の人手不足を受けて、かなりの条件緩和に取組みつつある状況を紹介されています。

 

 冒頭で驚くべき統計を提示されているのですが、在日韓国人朝鮮人の割合が1980年代まで在日外国人の8割を占めていたにもかかわらず、その後、技能実習生制度などにより急激に流入が進んだ結果、この本の出版の2019年時点でわずか2割となってしまっていたということです。

 

 ただ、その制度設計自体の問題で、かなり締め付けがキツかったことにより、逃亡や搾取などの問題が取りざたされてきたことが思い起こされますが、人手不足が顕著になっていくに従い、その改善が急務と認識されるようになったようです。

 

 ただ、コロナ禍を経て超円安で日本経済が大転落して出版の時期と比べると、わずか3年であまりにも状況が変わってしまっており、多少経済が動き始めて、再び多少人手不足感は復活しつつあるのですが、あまりの円安でそんな国に出稼ぎに来てくれるような奇特な人がいるんだろうか…というギモンがあって、少子化に歯止めがかからない中、積極的な移民政策を推進する必要性がかつてなく高まっていると思うのですが、日本人の感覚や政策がそういう現実に追いついていくのでしょうか…