人生はあなただけのものじゃない/トム・ラス

 

 

 以前、自己診断本として多くのビジネスパーソンの間で話題をまいた『さあ、才能に目覚めよう』を紹介しましたが、この本はその本の改訂版である『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』を書かれたことで知られる方なのですが、16歳の時に難病と診断されて、余命20年で40歳まで生きることはないだろうと医師に告げられながら、目覚ましい活躍をされるに至った考え方を紹介された本です。

 

 20年という余命宣告にしては長いモノではあったにせよ、16歳という若さで多感な時期にそういう宣告をされた際のショックは如何ばかりかと思うのですが、そんな中で何か生きた証を残したいと思われるバイタリティに感嘆するところです。

 

 やはりいつ病状が悪化して死に至るかもしれないという恐怖感の中、何事も先延ばししない、ということは常日頃のんべんだらりと生きてしまいがちな我々はちょっとアタマに置いておいた方がよさそうで、特に周囲の人への感謝というのはタイミングよく告げておかなければ、実はそれほどチャンスがないのかもしれないようです。

 

 また、やはりそういう切迫した状況でありながら周囲の人に何か役に立ちたいという想いを致すことがスゴイところだとは思いますが、相手に覚えておいてほしいという純粋な心情がそうなるのかもしれません。

 

 フツーはそういう追い詰められた心情になることはないので、そこまでの境地に達するのは難しいのかもしれませんが、そういう状況にいる人のことに想いを致せば、ちょっとそういう他利のココロを持つこともできるのかもしれません。