健康脳/渡邊啓太

 

 

 放射線科医でMRIを駆使して脳収縮の研究をされている方が脳の老化につながる生活習慣について語られた本です。

 

 脳収縮というのは文字通り脳の容量が減っていく現象ですが、基本的に20歳以降は脳は老化の一現象として徐々に収縮していくのですが、極端な収縮は脳機能の低下につながり認知症などの要因にもなるようです。

 

 そこで、脳収縮を研究されている方々は、様々な生活習慣が脳収縮にどういう影響を及ぼすかを様々なサンプルを活用して確認をしておられて、よく言われる認知症に良い/良くないモノを脳収縮する/しないという観点から実証されています。

 

 やはり肥満、糖尿、飲酒、喫煙、ストレス、不眠といったやり玉に挙げられがちな生活習慣は脳収縮といった観点でもマイナスの影響を及ぼすようですが、高齢になるとやせ過ぎは却ってよくないとか、あまりにストレスが少なすぎるとよくない影響を及ぼすとか睡眠は7時間前後が理想的など、結構細かい分析をされているようです。

 

 ただ食習慣については、被験者にそればかり食べてもらうワケにもいかないこともあって、有効なデータがとりにくいということでなかなか有意な実験データがとれないそうなのですが、水分摂取が少ないと有意に脳収縮につながっているようでそういう意味でも水分摂取というのはかなり重要な要素のようです。

 

 結論としては概ねイメージ通りではあるのですが、わかりやすい根拠に基づいて脳機能への影響を語られているだけにナットク感が高いような気もしますので、参考にしてみてください。