辞めない社員の育て方/大久保俊輝

 

 

 長らく小学校で教鞭をとられて校長も務められた後、教員の育成を出がけられた方が語る「辞めない社員」の育て方だそうです。

 

 元教員の方が「辞めない社員」の育て方を語るということで、最初は「ん?」と思わなくもなかったのですが、この方、「あるべき」教育に熱心なあまり、あまり子どもたちのためを考えているとは思えない教育委員会などの意向に沿わない行動をとられたことで、かなり冷や飯を食わされることになったようで、何度も辞表を叩きつけたとのことですが、上司の方が理解のある方だったということで、その度に辞表を破り捨てられたそうです。

 

 最近、就職してもすぐに辞めてしまう若い社員が取りざたされていますが、色んな意味で「こんなはずじゃなかった…」と思うが故にということが多いようですが、そういうのに対してオッさんたちは「甘えたことを」なんて思うんでしょうけど、結構矛盾に満ちた組織や環境に対して失望するということもあるはずで、そういうところをただ単に辞める側のガマンの無さに帰するんじゃなくて、ちゃんとそういう状況は危険な兆候なんだ、ということを感じることが重要なんじゃないか!?というところには身が詰まされる想いがします。

 

 ということで、ちゃんとビジョンやそれに向けたあるべき姿を提示した上で、それに賛同する人を求めて、キチンとそのビジョンに沿ったミッションを与えることで、責任感ややりがいみたいなものを感じて、そうカンタンには辞めないはずで、「辞める」理由を辞める側だけに求める姿勢に問題があるということは、かなり重要な問題提起だと思われますし、企業の側もそういう側面をしっかりと認識しておかないと、労働者数が減少していく中、生き残っていけないかもしれませんよ!?