ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門

 

 

 個人的にあまりラップには親しみがないのですが、前々から興味はあって、どんなものかを知ろうと思って、こんな本があるのを知って手に取ってみました。

 

 この本は2018年1月にNHK-FMで放送された「今日は一日“RAP”三昧」という番組をまとめたモノだということで、日本を代表するラップユニットであるライムスターの宇多丸さんがホストとして、スチャダラパーBoseさんやZeebraさんなど著名なラッパーをゲストに迎えたラップ界がNHK-FMをジャックするという記念すべき放送だったようです。

 

 ということで、一応ラップの誕生から現状まで時系列で紹介されてはいますが、それほど厳密なモノではなさそうです。

 

 実は現時点でアメリカでは2000年前後以降ロックよりラップの方が売り上げが多いということなのですが、個人的にはラップのイメージがかなり昔の時点で止まっているようで、当初都市における黒人の貧困若年層が不満をブチまけることから始まったということもあって、かなり反社会的なイメージがあって、1980年代などではトップラッパーが銃撃を受ける事件が連発したりしたのもその反映かと思います。

 

 段々とソフィスティケートされていって、次第に広い層から受け入れられるようになるのですが、それは多ジャンルとのコラボへの親和性が高かったからということもあるようで、ソウルミュージックやロックとの垣根が段々と低くなってきて、どれがラップ/ヒップホップでどれが多ジャンルなのか、ということがあまり関心が高くないワタクシどもからするとわかりにくくなっているところはあります。

 

 日本では、なかなかラップのリズム感と日本語の親和性が高くないこともあり、広まりに時間がかかりましたが、日本語ならではのラップのリズム感の開拓などもあって、ラップ/ヒップホップの特化したフェスでもかなりの盛況を見せているようですが、そういうフェスが、ちょっと反社会的な匂いを感じさせるのは、やはりラップ/ヒップホップの根っこにはそういう空気感があって、それを脈々と受け継いでいることを感じさせられます。

 

 ちょっと、ローリン・ヒルみたいなとっつきやすいところから聞いてみようかな…