葬式格差/島田裕巳

 

 

 先日、2010年に出版された『葬式は、要らない』を紹介しましたが、この本はその好評を受けてか、2018年に出版された続編というか、よりディープに葬式の現状について紹介された本です。

 

 『葬式は、要らない』の中で、かつて突出して葬式に関する支出が多い日本の中で、次第に葬式を簡素化させていく傾向について紹介されていましたが、逆にハデな演出をするところも出てきているようで、色んな意味での二極化が顕著となっているようで、その状況について、地域差や宗派間の差などを葬送にまつわる様々な側面において紹介されています。

 

 個人的に特にオドロいたというか、呆れたというか、印象に残ったのが戒名についての「格差」で、信心がないんだから戒名なんてなくてもいいと考えるワタクシなどには理解の及ばないところですが、それなりの「格」の戒名をつけようとすると数百万円かかるんだそうで、それも金を出せばつけてもらえるというモノでも無い様で、生前にそれなりの「資格」を満たしていなければいくらカネを出してもつけてもらえないようで、あの世に行ってまで世間体に縛られることに、ちょっとした空恐ろしさを感じた次第です。

 

 また、個人的に興味をそそられたのがお墓についてのことで、ヨメとも墓なんて子供たちを縛り付けることになるだけで要らんよね!?みたいな話になっているのですが、そういう風に考えるのはワタクシたちだけではないようで、合葬墓みたいなものがかなり注目を浴びているようです。

 

 日本人の死生観も大きく動きつつあるようです…