旅行業界グラグラ日誌/梅村達

 

 

 以前、『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』という銀行業界の裏側の苦労話を描いた本を紹介しましたが、この本はそのシリーズ物で、旅行業界の裏側を描いた『派遣添乗員ヘトヘト日記』のために執筆されたモノで、その本の収録に漏れた原稿をまとめたモノだということです。

 

 50歳代から添乗員となられて、この本が出版された時点で67歳だというフリーの添乗員の方なのですが、「ヘトヘト」度が足りないということでボツになったモノを集めたということで、それほど悲惨なエピソードがあるワケではなく、割と地味目ではあるのですが、それでもツアーの添乗をしているとそれなりのトラブルに見舞われることがあるようで、駆け出しの通訳案内士であるワタクシとしても身に詰まされる想いがするところです。

 

 ツアーの参加者からの理不尽な要求だったり、交通の乱れや天災など、スムーズなツアーの進行を妨げるモノは枚挙にいとまがないということで、如何にそういう不確定な要素を潰しつつツアーを進めていく努力をするワケですが、すべての要素の発生を防ぐワケにもいかず、事態の収拾にアタフタさせられるようです。

 

 ワタクシ自身、添乗員のつくようなツアーに参加することはほとんどないので、どちらかというと通訳案内士としての添乗する側としての視点で見てしまうワケですが、因果なことながら、それなりのやりがいも垣間見れるだけに複雑なところです…