安倍晋三の正体/適菜収

 

 

 『安倍晋三の正体』ということで、なかなかに不穏な予感がするタイトルですが、内容はその予感を大幅に上回る、読み手によっては罵詈雑言とすら受け取られるような、相当なアンチ安倍を自認するワタクシであっても、そこまで書く!?と思えるような辛辣なモノです。

 

 安倍氏というと、アベノミクスでデフレ脱却の端緒を付けたり、外交での功績が見られた一方、モリカケ桜などダークな側面も数多くみられ、毀誉褒貶の激しい政治家というのが平均的な評価だと思うのですが、この本では、アベノミクスの成果とされるモノも実態の少ないモノで、外交も結局は対米、対ロの追従ということで、実際に国益としてはかなり心もとないモノだとされています。

 

 ダークな側面については、より容赦のないモノで、モリカケ桜の釈明で直情的な答弁によって、多くの人の忖度を招いた挙句、実直な官僚を死に追いやる結果にまでなってしまったことが知られますが、そのことについて、小学生の頃のお世話係的な人物による、「虚言癖があった」というエピソードを引き合いに出して、その後の言動を検証されており、確かにそういう側面が首相在任時にも続いていたんだなぁ、と思わせるところがあります。

 

 何にせよ、日本の民主主義政治の信頼性をかなり棄損したところは間違いないところだと、ワタクシ自身もナットクさせられるところで、以降、一切そういうところを糾そうと、露ほどにも思わせない自民党政権、ボチボチちゃんと鉄槌を下さないとヤバくないですか!?