10代に語る平成史/後藤謙次

 

 

 共同通信の元記者で自民党や官邸の取材をされていて、現在は大学で教鞭ととられつつ、平成史に関する著作も多く出版されている方が、大学での講義のようなカタチでまとめられた本です。

 

 平静を取り巻く状況について、日本を取り巻く政治や世界情勢、災害などを取り上げられているのですが、今振り返ってみると、なんて激動の時代だったんだろう…と思ってしまいます。

 

 自民党が2回にわたって政権の座から滑り落ちていますし、それ以上にベルリンの壁ソ連、冷戦構造の崩壊もありましたし、阪神大震災東日本大震災という大地震があっただけではなく、毎年のように大規模な水害にも見舞われましたし、9.11や天安門事件もあって、これでも随分言い洩らしているところはあると思うのですが、ここに挙げただけでも随分騒がしい時代だったように思えます。

 

 そんな中で日本はバブルが崩壊し、失われた〇十年ということで、アメリカに次ぐ世界第二位のGDPを誇った経済大国が、最早先進国としての立場すら怪しい様相を呈しており、時の流れというのはホントに儚いと感じます。

 

 後々の世に、「平成」が振り返られることがあれば、ひょっとしたら衰退へのターニングポイントとされるのかもしれないと思うと、ちょっと居たたまれないような気もします…