1973年に生まれて/速水健朗

 

 

 サブカル系を中心にかなり幅広いジャンルの著作で知られる著書が、ご自身の生まれである1973年からの半世紀を振り返るという趣旨の著書です。

 

 ワタクシより少し下の世代で同世代と言えるのですが、ワタクシがギリギリバブル崩壊以前に就職したのに対し、バブル崩壊後の就職となる、いわゆる超氷河期に突入した「ロスジェネ」と言われる世代となり、そういう意味では同じ現象を見ていても全く見える景色が違うかも!?ということで、興味深いところで、バブル華やかなりし頃も通り過ぎられてはいるワケですが、どこかその描写も退廃的な匂いを感じさせます。

 

 ただ1973年生まれというと、イチロー中村紀洋松中信彦堺雅人深津絵里、田村淳と、イチローを除けば、超スーパースターというよりも、どこかシブい輝きを放つ面々が並ぶのが象徴的な気もします。

 

 この50年の最大の変革としては、やはりネットとスマホの拡大だとは思うのですが、パソコンの萌芽から、iPhoneにおける写メの発展など、割とナナメからの視点でその歴史を追っているところが「らしい」という気がします。

 

 ということで、かなり読む人の立場や置かれた状況によって、かなり読み方の異なる本なんじゃないかとは思うのですが、それぞれの愉しみ方ができる興味深い本なんじゃないでしょうか…