戦略がすべて/瀧本哲史

 

 

 『僕は君たちに武器を配りたい』で知られ、コンサルタントからエンジェル投資家をしつつ、熱心に若い人たちの起業に関する教育に携わられ、2019年に47歳の若さで亡くなられた瀧本さんの戦略論です。

 

 この本では、ビジネスだけではなく、個人としての教育の受け方だとか、労働者としてのスキルの付け方、地方政治など様々な側面での「戦略」を語られていて、いずれも如何にして「コモディティ化」を脱するかということを中心に語られています。

 

 かなり精緻な戦略論を語られながらも、コンサルにありがちなカタカナ専門用語の羅列に陥ることなく、あまりビジネスタームに縁が深くない人でも良くわかるように語られているのは、サスガは京大医学部で起業論を邂逅されていたこともナットクです。

 

 いろんな世界を語られていながら、割と共通することを語られているのが印象的で、仕組み論的に言うと、適用する業界をそれほど峻別する必要はなさそうで、それだけに「コモディティ化」を避けて、差別化するための方法論というのは、かなり広く応用が可能だということで、そういうモノを感覚的に見に着けておくことが、長い目で見てかなりの財産になるということで、個々の方法論というよりも、共通的に流れている法則みたいなモノに着目することで、かなり重要なスキルとして使えるのだということを、認識すべきなのだと思いました。