タイトルからすると、金融庁と地銀のドロドロの暗闘を追ったモノのように思えます(そう勘違いすることを狙っている!?)が、どちらかというとこの本のメインテーマは、金融庁の「改革」のように思えます。
金融庁は、発足当初金融監督庁との名称で、バブル期に手のつけようのない程悪化した不良債権処理が主要な任務だったワケで、むしろその頃のネタを扱った方がタイトルに近かったような気がしますが、不良債権処理が概ね落ち着いた頃である2015年に就任した森信親長官の改革については、3冊出版された橋本卓典さんの『捨てられる銀行』シリーズでも詳しく紹介されていますが、この本では地銀における対応に幾分フォーカスした感じです。
銀行の本来的な業務のひとつである中小企業支援や、国民の間で投資マインドが広まるような施策など、昨今、省益や政治家におもねることにしか関心がないかと思え、堕落した昨今の中央官庁の中ではめずらしく、日本経済の将来や国民の繁栄を見据えたとも言える各種施策については、大いに注目すべきなんでしょうけど、逆に監督を受ける地銀からすれば痛しかゆしの部分も多々あったようで、特に経営体質の脆弱な地方の中小地銀にとっては、経営体質の改善が再編に直結するということもあって、まさに存亡の危機だということあって、この部分に関してはタイトルにふさわしいところかな!?(まあ、ホンの一部なんですけど…)という感じです。
この本は森長官の在任当時の出版で、ちょっとヨイショが過ぎるかな!?という部分も無きにしも非ずなのですが、森長官のあまりのカリスマ性ゆえに、その後5人の長官が後を継がれていますが、その動向が気になるところです。
