箱根駅伝 新ブランド校の時代/生島淳

箱根駅伝 新ブランド校の時代 (幻冬舎新書)

箱根駅伝 新ブランド校の時代 (幻冬舎新書)

 先日紹介した、『箱根駅伝 (幻冬舎新書)』の続編です。

 続編なんですが、前著と決定的に箱根駅伝を取り巻く状況が変わって
しまいました。

 箱根駅伝が生んだ最大のスター、と著者の生島さんがおっしゃる、
柏原竜二が卒業してしまって、東洋大学だけでなくライバル校としても
決定的に戦略が異なってくることが想定され、「柏原以後」の箱根駅伝
がこの本のメインテーマのようです。

 少子化の中、箱根駅伝が大学経営にもたらす影響について、前著で
取り上げられていましたが、この本では、大学が全体としてどういう風
に取り組んでいく必要があるのか、について詳しく取り上げられています。

 ただ単に、いい選手、いい指導者がいるだけで勝てる時代ではなくなっ
ており、インフラ面や大学そのものの「格」などさまざまな要素が絡み
合って、箱根駅伝での競争力に関わってくるということで、気が遠くなる
思いがします。

 また、日本のマラソン界の強化と箱根駅伝とのリンクについても、取り
上げられているのですが、そもそも著者の生島さんは、以前、
駅伝がマラソンをダメにした (光文社新書)』という本を上梓されているのですが、
その状況の変化として、マラソンにおいてスプリント能力が求められる
要素が大きくなってきており、逆に箱根の距離で、長距離でのスプリント
能力を磨くことで、強化につながっていくのではないか、ということでした。

 ちょっと、来年はどっぷり箱根に浸かってしまいそうです。(笑)