本当の友だちってどんな友だちだろう/藤原和博

 藤原さんが、おそらく小学校の高学年をメインターゲットに書かれた、友だち
に関する本なんですけど、十分以上に大人の鑑賞に耐えうる、というか、オトナ
にもかんがえさせられるところの多い本です。

 小学校高学年位のお子さんを持つ親御さんだったら、友だち関係に悩んで、
「友だちって、どんな関係?」と素朴な疑問を投げかけられて、返答に困った方
もいらっしゃるかもしれません。

 ワタクシ自身は、現時点で小学校高学年に差し掛かったムスメが一人いますが、
幸か不幸か、そういう疑問を投げかけれられたことはないのですが、いざ投げか
けられても、納得してもらえる答えを返す自信はありませんでした。

 で、その答えのひとつの「カタチ」がこの本にあります。

 藤原さんは、さすがに元リクルートの敏腕社員だっただけあって、四象限の
マトリックスを使って、自分の周囲にいる人の分類を提示するのですが、その際
にのタテヨコの軸を、信頼レベルと有効レベルに設定して、
信頼:高、友好:高…ホントモ
信頼:高、友好:低…マダトモ
信頼:低、友好:高…フツトモ
信頼:低、友好:低…シリアイ
と分類されています。

 じゃあ、「ホントモ」にナルにはどうしたらいいか、ということで、
・一緒に何かを乗り越えた経験がある
・共通の「ヒミツ」がある
・一緒のストーリーをつくっている
ということを挙げられています。

 親としては、誰とでも仲良くやって欲しいという、自分には出来ないことを
子供に期待してしまうところもあるのですが、それよりも、こういう「深さ」
を求めることが、子供にとっての人生の「充実」につながるんじゃないかな、
と考えさせられる本でした。