ウドウロク/有働由美子

 

ウドウロク (新潮文庫)

ウドウロク (新潮文庫)

 

 

 元NHKアナウンサーで現在はフリーのアナウンサーとして活躍されている有働さんがNHK在職中に書かれたエッセイ風の著書です。

 長く朝の情報番組『あさイチ』でもぶっちゃけキャラの飾らない人柄で主婦層にも人気を博していたようですが、この本でもそういったサービス精神満開です。

 ワタクシが手に取ったのは文庫版で、フリーになってからの文庫版まえがき、あとがきが添えられているのですが、その中で、「オンナとしての「結果」に「囚われて」いたのか」とおっしゃっておられて、50歳を目前にして達観したような境地を伺わせますが、そういうところもホントにそう思っていたのではなくて、“ネタ”やったんちゃうの!?とツッコミたくなるトコロです。

 NHKというかなり旧来的な色彩の強い…要するにあまり女性にとって生きやすいとは思えない…企業をしなやかに生き抜いてきた“成功者”が、表立って不満を表明するのではなく、そこはかとなく面白おかしくやんわりと匂わせるところに有働さんの真骨頂を見た思いでした。