どうしても頑張れない人たち/宮口幸治

 

 

 『ケーキの切れない非行少年たち』が大きな話題をまいた宮口幸治さんですが、いつもブログを拝見している方がこの本を紹介されているのを見て、続編が出版されていたことを知って、手に取った次第です…(笑)

 

 『ケーキの切れない非行少年たち』で認知機能に問題を抱える少年たちが、本人の意図するところではなく非行に走ってしまう状況を紹介されていましたが、その取材の中で、そういった少年たちを支援している人たちのスタンスで、更生に向かう意図を見せない少年たちを持て余してしまって、結局は負のスパイラルに陥ってしまう状況を目の当たりにされ、「頑張らない」もしくは「頑張れない」少年たちが取り残される状況と、その状況を克服するための方策を紹介したいと思われたようです。

 

 往々にして子供を持つ親や学校の先生なども、「頑張る」ことが支援の前提となってしまっているような部分が無きにしも非ずなのですが、認知機能に問題を抱える少年たちは、「頑張る」ことが何らかのカタチで自分のシアワセにつながることが認知できないことが多く、「頑張る」ことに意義を見いだせないことが多いということで、むしろそういう「頑張れない」少年こそ、手厚い支援が必要だとおっしゃいます。

 

 そういう少年たちは得てして無意識に支援者に反発するなどの支援者を「試す」ような行動をしてしまいがちで、支援者はそういう行動も念頭に置いた上で、粘り強くそういう少年たちのすべてを無条件で受け入れるような姿勢を示して初めて、少年たちが支援者を信頼して、自分たちの「頑張る」スイッチを見つけることにつながるということです。

 

 ただ、相当苛烈な反発行動にでる少年たちも多いようで、支援者のココロが折れてしまうような状況も多く見られ、支援者に対しても、その活動を円滑に進められるような手厚いサポートが必要だということを指摘されています。

 

 この本ではかなり極端なケースを紹介されてはいますが、ウチの長女などもなかなか「頑張れない」キャラで、なだめたりすかしたり、脅したりと手を変え品を変え働きかけてはみましたが、結局は本人を全面的に信用して、自分で前に進むしかないということがこの本を読んでいるとよくわかります…せめて、あと3年くらい早くこの本を読んでみたかったところです…(笑)