人は一瞬で変われる/鎌田實

 

 

 かなり久々に鎌田センセイの本です。

 

 鎌田センセイというと、出世作がんばらない』を始めとして、ご自身が診られてきた患者さんや交流されてきた人々などのエピソードを交えた自己啓発本で知られますが、この本もそんな構成なのですが、今回は全体のテーマとして長らく鎌田センセイが研究されてきたという「行動変容」が設定されています。

 

 なかなか人は変われない…特にあまりよくない習慣を改めることは難しいことが多く、挫折した体験を持つ方が多々いらっしゃるとは思うのですが、成功した人が後から振り返ってみると、ホンのちょっとしたキッカケで大きな行動変容をもたらしたことが多いということで、誰かにかけられたちょっとしたコトバや、カタチから入ってみた結果、長く続いたとか、誰かのためにガンバってたら遠いところまで来ていたとか、ちょっとしたことが大きな成果をもたらした事例を紹介されており、その「スイッチ」を探すヒントを提示されています。

 

 特に多くの人に見て見てもらいたいのが、「がんばらない」のに自分を変えるといった趣旨の章で、糖尿病などかなり深刻な問題を抱えた人がなかなかできなかった食事制限を、ある仕組みを取り入れたのをキッカケに改善し、すっかり回復したという事例を紹介されており、病気などに限らず、ちょっとした仕組みを見出すことで難問を解決してしまうことがあるんだということをアタマに留めておくと、大きな自己変容につながることがあるということです。

 

 でもそのためには、どうせダメなんだ…というあきらめモードでいるのではなくて、なにかキッカケはないだろうかと、アンテナを高くしておくと意外なトクをするのかもしれませんよ!?