岸田ビジョン/岸田文雄

 

 

 岸田首相が就任直後に出版されたマニュフェスト的な著書です。

 

 こういう本って結局は政権の広報なんで、キレイごとばかりであんまり内容が無いことが多くて、読む価値がないことが多いのですが、岸田首相という人が、イマイチ何を考えて何を目指しているのかがよくわからないところがあったということもあって、手に取ってみましたが…

 

 最近「新しい資本主義」を標榜していることを公言していますが、じゃあそれは具体的にどういう者会を目指すのか!?ということがぼんやりとしていて、一応こういうプロパガンダ的な著書なので、触れられてはいるのですが、目玉施策であるはずのところ、アベノミクスの成果と限界を指摘されているだけで、じゃあ自分はどうするの!?ということをほとんど述べられていません。

 

 それどころか、そういうフワッとした”政策”ですら、わずか1/4程度しかなく、後の3/4は祖父の世代から自身の経歴で占められていて、結局は政治家として如何に選挙に当選し続けることにしか興味が無いように見えます。

 

 「聞く姿勢」の政治というのは、”自分が無い”ということなのか!?と思ってしまいたくなるくらい、結局自分でどういうことをしたいのかというビジョンに著しくかけていて、一国のリーダーとしてはどうなんだ!?と不安になります。

 

 特にそういう思想の無い人は、付和雷同的なことをしてしまうリスクが高く、特にロシアへの対応について、ただ西側についてワーワー言っているだけで、そのことによるリスクもあまり考えているように見えないですし、ましてや西欧諸国との立場の違いから仲介の役割を果たそうなんていう気概も見られないのが残念です。

 

 やはり日本はこの程度の政治家しか生み出せない土壌にあるのでしょうか…