あっ!命の授業/ゴルゴ松本

 

 

 先日、「命」の文字芸で知られるコメディアンのゴルゴ松本さんが少年院などに慰問の講演活動をされているということを紹介した自伝的な著書である『「命」の相談室』を紹介しましたが、この本はその授業の”中身”です。

 

 『「命」の相談室』でも触れられていたように、ゴルゴさんは売れなかった頃、色々と本を読み漁っておられたようで、その中で日本語の奥深さに魅せられ、それが「命」の芸や講演活動につながっているようですが、この本でゴルゴさんが語られるコトバの由来などは日本語の繊細さを改めて思い起こさせてくれます。

 

 冒頭の章で「始まりは愛」ということで50音を取り上げて、「あい」うえお、と始まるということで、日本語の基本は「愛」からはじまり、最後は「恩(をん)」で終わるという小噺のような〆がクスッと笑わせながら日本語の奥深さを紹介しているところに唸らされますが、さらに英語では"I"の前は"H"という下ネタギャグをカマすのも湖面ディアンとしての面目躍如といった感じでしょうか…

 

 また、かつての金八先生の「人」の文字を語られたように、ゴルゴさんの代名詞である「命」の成立ちを語られますが、「人」が「一」「叩」するということで、心臓の鼓動を示しているということで、見事に生命感を表現していることを紹介されていて、さらにその「命」を「運」ぶことが「運命」だということです。

 

 どの言語もその国の人々の精神を体現していて、ことさら自分の国の言語を称賛するのは過度なナショナリズムにつながるんじゃないかという危惧はありますが、やはり日本語には日本独特の細やかな機微が感じられて、ありがたいモノだなあ、というのは感じますし、少年院の慰問でもこういう講義が刺さるのも、自分の根っこみたいなものを思い出させてくれるからなのかな!?と思います。