世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた/中野信子

 

 

 脳科学者の中野先生が、「頭のいい人」が習慣としてやっていることをごくごく細かいことも含めて取りまとめた1冊です。

 

 この本はご専門である脳科学的な見地というよりも、中野先生が所属する世界の上位2%のIQを持つ方々の集まりであるMENSAの会員の方々や東大の同級生やフランス留学中の同僚など、世界有数の頭脳を持つ方々との交流の経験から「頭のいい人」の行動習慣を観察したモノを集めたようです。

 

 中野先生がおっしゃる「頭のいい人」の多くはパッと見、すごくフツーの人なんだそうで、普段はツメを隠されていて、イザという時だけそのツメを見せることが多いということですが、ツメを見せているときであってもひょっとしたら凡人にはツメを見せているようには思えないこともあるようで、凡人は「頭のいい人」にうまく転がされていることもあるようです…(笑)

 

 ただ、確かにアタマがいいからこそナチュラルにそういうことをされるという側面はあるのですが、逆にそういう習慣を身に着けることでコトをウマく回せるようになるという側面もあるということです。

 

 中野先生がご自身のご経験から紹介されているエピソードが印象的で、東大の入試の際に試験の直前に見ていた問題が、ほとんどマンマ出題されていたということなのですが、後で脳科学的に考えてみると、ただ単なるラッキーだったというワケではないそうで、入試に合格するためにどうするか!?ということにフォーカスした結果、入試に頻出の問題を繰り返し説いて、直前に見ておこうとそういう頻出のテーマを持参するなどの行動を重ねた結果、一見単なるラッキーと思えるような事象を呼び込んだように見えるということのようで、この本にはその手のエピソードが満載なんで、「頭のいい人」のようなフリをしてオイしい人生を送れるようになるかもよ!?(笑)