不登校・ひきこもりの9割は治せる/杉浦孝宣

 

 

 30年以上に渡り不登校やひきこもりの人たちが立ち直る支援を行ってこられた方が教える不登校・ひきこもりの対策についての本です。

 

 少子化で生徒の数は一貫して減っているにも関わらず、不登校・ひきこもりの数は一貫してい増えているとともに、期間の長期化も顕著で、30年以上もひきこもりの状況が続いている人もいるようで、そういった人たちが殺人などの凶行に及ぶこともあり、社会的な問題として解決が求められています。

 

 そんな中で著者の杉浦さんは、数千人の不登校・ひきこもりとなった人たちの社会復帰の支援をされてきたご経験から「正しい」プロセスを踏めば9割は立ち直れるということで、実際の支援例を交えて不登校・ひきこもりを治す方法を紹介されています。

 

 それ以前に、できれば不登校・ひきこもりにならないようにということで、そもそも不登校になりやすい時期というのがパターンとしてあるということで、中学・高校・大学の入学、就職の時期だということで、そういう時期に綿密なコミュニケーションを図って悩みを早めに聞くことで不登校・ひきこもりを防げるということもあるようです。

 

 さらには不登校・ひきこもりになってし待った場合、学校に相談されることが多いとは思うのですが、学校にそういう対策に対する専門的な知識があることは多くないようで、スクールカウンセラーに相談しても悩みを聞くだけで積極的な解決策の提示があることは稀なようです。

 

 ただ不登校・ひきこもりになった際に放置してしまうのは、より状況を悪化させてしまうリスクが大きいということで、できる限り早めに専門的な知識を持つ人の支援を仰ぐことが肝要なようで、専門家の方々の支援を受けて、

 1.規則正しい生活をする

 2.自律して自信をつける

 3.社会貢献をする

というプロセスを焦らずに時間をかけて、着実に積み上げていくことで、9割の不登校・ひきこもりは治るということです。

 

 ただ、得てして治癒を焦ることが多いようで、そういう焦りが思わぬ悲劇を招くこともあるようですので、ゆっくりゆっくりステップを踏んで確実に歩んでいくことが肝要なようです。

 

 不登校・ひきこもりはどんなにポジティブな人にでも起こりうることのようなので、日頃からコミュニケーションやケアを怠らないようにしないといけないようですね…