新宗教驚異の集金力/島田裕巳

 

 

 先日『新宗教と政治と金』を紹介した宗教学者島田裕巳産の著書ですが、今回は新宗教の資金調達の仕組みについて紹介された本です。

 

 新興宗教というのは、旧来の宗教と違って大口の支援者のような存在が少ないこともあって、定常的に資金を集めるための仕組みを整備する必要があるということで、この本ではその「仕組み」を類型化されています。

 

 新興宗教の資金集めの4つの類型として、

  ・商材ビジネス型

  ・献金

  ・スーパー・コンビニ型

  ・家元制度型

を挙げられていて、旧統一教会献金型に当たるということなのですが、献金型というのは、信者数が順調に伸びているときは表面化しないのですが、停滞もしくは減少局面に入った時に即、資金調達の問題に直面し、韓国本国などでの信者数の激減に直面した旧統一教会が日本における強引な献金の強要につながったのは、献金に頼る「仕組み」上、当然の帰結なんだということです。

 

 それに対して、日本最大の新興宗教と言われる創価学会の「商材ビジネス」型というのは、二代目会長である戸田城聖が編み出した”ビジネスモデル”で、教義をまとめた著書を信者が買い求めるようにするのが基本的な集金の「仕組み」で、信者はお布施的なモノを納めることはないと同時に、日蓮正宗との絶縁後は大掛かりに資金をつぎ込むような目的もなく、上層部が個人的に集めた資金をポケットに入れてしまうこともないようで、かなり健全な財政運営をしているようです。

 

 宗教活動を行う上で、ある程度の資金的な裏付けが必要なのはわかりますが、あくまでも信者あってのことですし、信者のためになるような「仕組み」を作り、健全な運営を心掛けてほしいモノですね…