日本病/金子勝、児玉龍彦

 

 

 先日、コロナ禍の影響なども踏まえて、アベノミクス後の総括をされた『現代カタストロフ論』を紹介しましたが、その著者のお二方が2016年時点での日本経済の停滞をがんなどへの罹患になぞらえて、その深刻さを紹介された本です。

 

 金子さんはアベノミクスが始まった当初から、かなり否定的なスタンスで厳しい意見を投げかけ続けてこられて、その一環として2013年に始まったアベノミクスが2016年時点で、すでに「失敗」が決定的になっていることを指摘されていますが、すでにその時点でかなり構造的な欠陥を抱えていて、あたかも生活習慣病のような慢性病のようになっており、実はこの前にも出版されているお二方の著書である『逆システム学』の中でも触れられているという、一種の細胞異常である「エピゲノム病」の様態を呈しているということです。

 

 2016年の時点で、この日本経済の「エピゲノム病」が長期衰退の元となるとされていますが、7年が経過した現時点で現実のものとなっており、未だ出口が見えない状況となっているのが現実ですが、ここのところこういった日本の将来への暗い展望に関する本ばかりを取り上げている気がしますが、解決の端緒すら見いだせない中では、こういった状況がまだまだ続くのでしょうか…