絶版本/柏書房編集部編

 

 

 柏書房の編集部が角界の知識人24人に思い入れのある絶版となった本について語ってもらったモノをまとめた本です。

 

 冒頭で「絶版」という制度について紹介されているのですが、昨今は何かのキッカケでSNSなどでバズったりして火が付くことも無きにしも非ずなので、あえて絶版を宣言するということは減っているようですが、いずれにせよ出版社としても売れない本をいつまでも抱えておくワケにはいかないということもあり、それ以上刷らないという決断をどこかでせざるをえないことになります。

 

 ただ、「絶版」になるからと言って、必ずしも価値のない本だというワケではないということで、個人的に人生を変えられるほどの影響を受けて思い入れのある本だったり、ある学術分野ではかなり重要な研究の成果だったりと、「絶版本」とは言ってもある一定の狭い範囲ではかなりの重要性を帯びた本があるということが、各執筆陣のアツい語りで印象付けられます。

 

 そういう矛盾に満ちた苦渋の決断だということもうかがえますが、実は国内で出版されるすべての書籍を所蔵する国会図書館では、電子書籍として頒布するという制度ができたらしく、おそらく「絶版」となったと思われるワタクシの著書も入手できるのかも…