いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書/水野学

 

 

 先日紹介した『「売る」から、「売れるへ」。 水野学のブランディングデザイン講義』に痛く感銘を受けたので、早速別の著書を探して手に取ってみました。

 

 『「売る」から、「売れるへ」。 水野学のブランディングデザイン講義』の中でも触れられていましたが、水野さんは「段取り」を誰にでも必要な重要なノウハウでありながら、学校で教えてくれないし、体系立てて教えてくれる人もいないので、この本を書かれたということです。

 

 そもそも「仕事」ということについて水野さんは、

  1.目的地を決める

  2.目的地までの地図を描く

  3.目的地まで歩く

というプロセスをたどるということだと定義されています。

 

 特にその中でも「目的地を決める」ということについて、多くの人がアバウトにしてしまっているということもあって、後の段階になって迷いが生じないように、徹底的に考え抜いて、疑いもなくそのあとの段階で邁進できるように突き詰めておくことを進められているのが印象的です。

 

 上司やお客さんにこう言われたから、と鵜呑みにするのではなく、その指示に至った「真の目的」みたいなモノをちゃんとくみ取っておかないと、後になってちゃぶ台返しを食らう可能性が高く、そうならないためにもクドいくらい確認しておくことが最重要となるようです。

 

 そのあとは、その目的地に効率的にたどり着くためのプロセスをデザインして、実際にデザインしたプロセスに従って遂行していくということなのですが、遂行中に起こるトラブルなどの際に、最初に確認した、そのプロジェクトの目的地に照らして、どうすべきなのかということを確認しつつ判断すれば、目的とするところに間違いなくたどり着けるということで、如何に目的地の定義をしっかりしておくことが重要なのかを痛感させられます。

 

 デザイナーとしての性癖なのかもしれませんが、それ以外の仕事をする人も、自分の仕事の成果をありありと想像してことの必要性というのを思い返す良いキッカケになる本だと思いますので、仕事の進め方に迷いのある方は是非一読の程を!