セキュリティの笑えないミスとその対策51/増井敏克

 

 

 ワタクシ自身、現在勤務している会社でセキュリティ関連の業務に従事しており、メールの誤送信や業務情報をSNSに書き込むなどといったセキュリティ上のトラブルを見てきていますが、そういうトラブルの事例と防止策について紹介された本です。

 

 この本では、電車の中などの他人の目があるところでPCを開くとか、ファイル共有ソフトを業務を行うPCで使ったことで情報漏洩を招くなどといった、ワタクシが勤務しているIT企業ではまずありえない初歩的なところから始まって、メールでのお客さんなど社外とのやり取りにおける添付ファイルのやり取りや、送信先の設定などの際に、理性では分かっていても急いでいたらついついやってしまいがちなミスと、そのミスをしてしまった場合のインパクトについて紹介されていて、個人情報の外部漏洩など、ヘタをすれば多額の賠償にもなりかねないリスクを指摘されています。

 

 ただ、そういう「あるある」なミスだけではなく、社外の相手とリモート会議をする際に、資料の共有の切り替えの際にデスクトップの内容が表示されて、会議の参加者に見られたくないモノを見られてしまうというケースを紹介されていて、今社内の相手としか打合せをしないワタクシとしては、そういうのもあったかぁ!?というケースも数々紹介されていて、割とセキュリティに配慮しているという自覚のある人にとっても、なかなかに侮りがたい内容となっており、自身の普段の行動のセキュリティ的な問題点を振り返る上でも、是非是非一読してもらいたいモノとなっております。