ハイテク企業のトップは、なぜ、わが子からスマホを遠ざけるのか/渡辺鋭氣

 

 

 大きな話題をまいた『スマホ脳』や「脳トレ」で知られる川島隆太先生の『スマホが学力を破壊する』など、デジタル機器が子どもたちに与える悪影響について指摘されることが多くなっていますが、この本は子ども達がスマホなどのデジタル機器を多用することで読解力を低下させている状況について語られた本です。

 

 何かギモンに思ったことがあっても、スマホがあればすぐにググって答えを見つけることができることに慣れた子どもたちは、長時間をかけてある程度のボリュームがある本を最後まで読み通すだけの根気を兼ね備えていることが少なくなっているということです。

 

 そういう子どもたちは情報処理の能力には長けていることは多いモノの、集中力や読解力にかけてしまうことが多い故に、課題の設定能力だったり、問題解決能力という、社会人として必須であると思われる能力が欠如していることもあって、何らかのカタチでそういう能力をつける機会を提供しなければならないという危機意識を露わにされています。

 

 そんな中で如何にして読書に取り組んでもらうかということが、それ以外の有効な代替策が見いだせない現状においての解決策ということになって、その役割を担うべき存在としての学校図書館の「使命と役割」ということを指摘されているワケですが、それでもなかなか子どもたちを読書に向かわせる有効なインセンティブはなかなか見出せそうにないということです。

 

 学校でも授業が始まる前の数十分で自分の好きな本を読ませるという取組をしているところが増えてきているようですが、根本的に読書の魅力を訴求するような強いモノがなければ、難しいんじゃないかなぁ、と思いますが、こういうブログを運営しているワタクシとしても、ささやかながらこんなに本って面白いんだぞ、ということを細々と伝えていきたいところです…