女性不況サバイバル/竹信三恵子

 

 

 コロナ禍において、シングルマザーなどを中心に一斉休校措置によって子どもを預け先がなく仕事に行けなくなったり、女性の雇用が多い飲食店やケアワークが休業になって失職したりと、女性が経済的に困窮するケースが多発したワケですが、その原因として、旧来的な家父長制的な考え方が日本社会の隅々にまで未だ息づいていて、そういう考え方に基づいて設計された社会的な仕組みが女性が十全にその能力を発揮することを阻んでいて、東日本大震災の時もそうだったようですが、社会不安が表面化したときに、まず女性がその被害にあうことになっているということを紹介されています。

 

 コロナ下でも本来そういう場合のセーフティネットになるはずの助成金なども、世帯主に渡すとか、企業経由での給付になっていることから、DVの被害者だったり、非正規雇用の人だったりすると、多くの場合満足に受給できなかったということもあって途方に暮れた人があふれたということです。

 

 そんな女性にとって不安でしかない社会を放置して社会における女性の活躍もあったもんじゃないでしょうし、離婚~シングルマザーになるリスクを考えると、そういうところも子どもを持とうとすることに躊躇するということで、少子化の一因だとも言えそうですし、異次元の少子化対策なんて何の内容もない政策に張りぼてをするよりも、女性にとって安心につながる社会を作ることが、少子化対策だったり、経済の立て直しの第一歩のような気がします。