ネットは社会を分断しない/田中辰雄、浜屋敏

 

 

 近年、ネット上は罵詈雑言や誹謗中傷が満ち溢れて、中にはそれが原因で命を絶つ人も続出していて、「ネトウヨ」やら「パヨク」やら政治的な対立を煽る輩が跋扈して、ネットこそが社会を分断させる諸悪の根源だとの言説がまことしやかにささやかれていますが、ホントにそうなのか!?ということを検証したのがこの本です。

 

 ただ、統計的に観てみるとネットユーザーの大半は、それほど極端な偏りのある思想を持っているワケではなさそうで、かつネットを使用によって、却って多様な意見への理解が進むことが多いようです。

 

 ただ、少数ながら特に比較的高い年齢層の一部にはかなり極端な思想を持ち、それを積極的に披瀝することで悪目立ちしているようで、そういう人たちが極論を頻繁に登校することで、あたかもネット上のマジョリティであるかのように捉えられてしまっているようです。

 

 例えば、とあるトピックで極論とも思える意見を発していたのは、コンマ数%でありながら、発言数の半数以上を占めていたということもあるようで、こういう極端な少数がネット上の場を荒らして、ネット全体の信頼性を低下させているとも言えそうです。

 

 元々インターネットの黎明期は、様々な知見を提供しあってともに高めていくということがあったようで、当時大学の研究者が主に使っていたという同質性の高さもあったとは思いますが、そういう美点も確かに未だ存続しているはずで、どうにかこういうネットで暴走する不逞の輩を排除していく手だてはないものなのでしょうか!?(そういう考えも危ないのかもしれませんが…)