昨日に引き続き日本語研究者の石黒先生の著書ですが、今回のテーマは「語彙力」です。
「語彙力」というと英語の授業で単語や熟語を覚えさせられてイヤな思い出がよぎる人が少なからずおられると思うのですが、日本語でも文法力はあまり意識しなくても自然に身につくという側面があるのに対し、語彙力についてはある程度意識して強化していかないとなかなか身につきにくいということのようですし、あまりにも語彙力が貧弱だとコトによっては恥ずかしい想いをする可能性もあるということで、ちょっと気になるところです。
モチロン、語彙力というのは多い方がいいという側面はあるのですが、ただやたらめったら増やせばいいというモノでもないようで、「質」と「量」いずれも意識して増やしていく必要があるようです。
英語の授業でも語彙力強化において、類義語や反意語などといった覚え方を活用された方は多いと思いますが、日本語においてもそういった方法の活用で「質」と「量」を両立した語彙力強化が有益なようですが、この本でいちばん印象的だったのが、「質」の強化における同義語の強化のところです。
いずれも「食べる」という意味のコトバが入るところなのですが、
1.肉に飢えていたので、焼肉をガツガツ[ ]。
2.落ち着いた空間で上品な和食を[ ]。
3.阿蘇のふもとで馬たちが草を[ ]。
4.栄養のバランスを考えて野菜を中心に[ ]。
5.時間がないので、卵かけご飯を慌てて[ ]。
6.体調がすぐれないので、少量のおかゆだけを[ ]。
という例文で、「食べる」を入れるよりもふさわしい表現があるでしょ!?ということです。(あえて、ここでは答えは書かないことにします…どうしても気になる方は本を手に取ってみてください!)
そういう状況に応じたコレコレ!って表現ができるように精進していきたいモノですね!?