定年格差/郡山史郎

 

 

 ご自身が定年後の再就職に苦労された経験を踏まえて人材派遣会社を立ち上げ、86歳の執筆時も現役でリタイアを見据えた方の再就職も含めた就職支援をされている方が語られる定年後の仕事の見つけ方です。

 

 そもそも元々、定年という制度自体、50歳ちょいだったという平均寿命から考えて、カタチだけだったのが、戦後急激に平均寿命とともに健康寿命も延びているということもあって、定年が早すぎるのではないか!?ということになったということを指摘されています。

 

 ただ、確かに多くの人が60歳を迎えても一定健康でそれなりに働けるように思えるワケですが、客観的に見ると45歳くらいをピークにほとんどの人のパフォーマンスが落ちることは間違いない様で、多くの会社が55歳くらいで役職定年を設定しているというのは一定の合理性があるようです。

 

 ゆめゆめ大企業で管理職を務めていたからと言って、中小企業で辣腕をふるえると勘違いしない方がいいのは、大企業だと部下がやってくれていたことも、中小企業では何もかも自分でやらないといけないことが多く、長らくやっていなかった雑事に足元を掬われてポンコツ扱いされることもあるようで、そういう現実を冷静に見極めることが肝要だというのは、キモに銘じておくべきようです。

 

 スポーツ選手とは異なり、会社勤めのサラリーマンはパフォーマンスが目に見えにくいこともあって、自分の衰えを認めることが難しいという側面があり、評価や給与が下がることにナットクがいかないということでモチベーションを下げる人も少なくないようですが、加齢によるパフォーマンスの低下を冷静に見据えて、ある程度割り切った態度でその後の仕事を考えることが、定年後も機嫌よく働き続けるための秘訣のようです。