うらやましいボケかた/五木寛之

 

 

 また、作家の五木寛之さんの老後本ですが、こちらも先日紹介した『シン・養生論』同様、連載のエッセイをまとめた本だということですが、こちらは『週刊新潮』の連載「生き抜くヒント!」からなんだそうで、あちこちで連載をお持ちだという相変わらずの人気ぶりなワケですが、「ボケかた」についてのノウハウ本というワケでもないようで、それ以外のトピックの方がずっと多いのも同様です。

 

 五木さんも90歳の声を聴くということで、現役で執筆活動をされていても日々衰えを感じざるを得ないということで、そういった日常についても触れられていて、かつて執筆された親鸞に関して取材されたことを忘れてしまって苦い思いをされることもあるようです。

 

 また、それまでは執筆活動は深夜の方がはかどることが多いということで、つい最近まで昼夜逆転の生活をされていたということですが、コロナ禍を期に、意図したワケではないにも関わらず、朝7時に起きてウォーキングをして、その日のうちには就寝する生活になったということで、そういうことも老化と感じられて、当初は葛藤があったようですが、やはりあまりかつての状況に拘泥しないで、老いなら老いで一定受け止めることが健全なんじゃないかと感じられてもいるようです。

 

 頑固ジジイ的な方向性もあるのですが、周囲だけではなく意外と本人もシンドいところもあるでしょうから、できる限り状況を受け入れるようにはしたいモノです…