睡眠障害/西野精治

 

 

 以前『スタンフォード式最高の睡眠』を紹介した、スタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所の西野先生が睡眠障害について紹介した本です。

 

 この本では睡眠障害についてかなり網羅的に紹介されていて、ああいうのも睡眠障害の一種なんだ!?と思うようなモノも漏れなく紹介されています。

 

 個人的に一番ツボだったのが、むずむず脚症候群で、足が文字通りむずむずして眠れないというのを何度か経験したことがあったのですが、あれも睡眠障害で、ちゃんと病名もあるんだということに感心した次第です。

 

 睡眠障害というと不眠のことばかりが取りざたされますが、不眠というのは過眠と表裏一体で、不眠が過眠をもたらし、逆もまた真なりということなんだそうです。

 

 そういう睡眠障害をもたらすものを様々紹介されているワケですが、一番よく知られる睡眠時無呼吸症候群についても詳しく紹介されていて、あれはかなりヤバいらしく、そのケがあったら、速攻専門医にかかるべき深刻な症状だということです。

 

 それ以外にも、睡眠障害というのはかなり致命的なモノが多いということで、ただ眠れないということでは、なかなか専門医にかかるという行動につながらないことが多いようですが、早めにかからないとホントに命にかかわるケースもあるようで、ワタクシも結構不眠気味なので、それにまつわる本を数多く読んできたのですが、そこまでの警告をされている本は初めてだったので、ちょっと驚くとともに、多くの人がココロに留めておくべきことだと認識した次第でした。

 

 また、睡眠障害をもたらすモノについても様々紹介されているのですが、そんな中で俗説的なモノも指摘されていて、それも有用ですし、基本的には規則正しい生活が睡眠障害を防止/治療する上では望ましいワケですが、お仕事柄そういうワケにはいかない人にとっても、防止/治療の方法論が紹介されています。

 

 ということで、睡眠にはかなり色々深淵な世界をはらんでいるということで、ざっくりその全体像を知るのに格好の本だと思えます。