日本の死角/現代ビジネス編

 

 

 『現代ビジネス』誌に掲載された記事の中で、日本についての「意外な」事実をアツかったモノを集めた本のようです。

 

 ネット上の記事で、この本に収録されているトピックの一つが紹介されていて、それが興味深く(それがどの記事だったのかは、もう忘れてしまいましたが…)、収録されているこの本も紹介されていたので、興味をそそられて手に取ってみたワケですが…

 

 従来から「集団主義」だとされてきた日本人が意外とジコチューだとか、日本人にも「結婚しない」層が確実に増加しているとか、といったモノが取り上げられています。

 

 個人的には、「自然災害大国の非難が『体育館生活』であることの大きな違和感」という弁護士の大前治さん執筆の記事で、あれだけ地震や水害などの災害で避難所を設ける機会があるにも関わらず、相変わらず避難所は体育館でザコ寝という数十年変わらぬ姿で、結果として災害関連死を多発させているにも関わらず、一向に反省するところが無いという状況について、自治体の関心が「ヒト」より「モノ」にあるからだという考察をされているところが、的を得ていて興味深いところで、日本の行政の冷たさというか貧困さというか、結局ほとんど住民のことを見ていないんだな、ということが、実はかなり「日本人」らしいと、ワタクシなどは感じるのですが…

 

 まあ、かなり広範なトピックが集められており、中には興味深いモノもアリ、どーでもいいやん!?と思わされるモノもありますが、ただ社会的なテーマに定評のある現代ビジネス誌としては、なかなかに安易なつくりが気になるところでアリ、講談社現代新書らしくないザツな企画だなぁ、というのが正直な感想です…