台湾情勢について取材されてきたジャーナリストの方が語られる中国の台湾侵攻についての本です。
さすがに昨今は台湾侵攻がなぜ日本有事?というノンキな方はあんまりおられないとは思うのですが、この本は2022年出版ですでに台湾情勢だけではなく、尖閣諸島を取り巻く状況は戦時下と言っても差し支えないとされているように、中国の台湾侵攻さらにはどさくさの尖閣占領は時間の問題だというモードで語られています。
この本で再三強調されているのが、ロシアのウクライナ侵攻と中国の台湾侵攻の類似性で、一部にはロシアがウクライナ侵攻に手間取ったことで、中国が台湾侵攻に躊躇するといった論調も見られますが、この本ではその「教訓」をかなり綿密に研究しているフシもあって、台湾侵攻を「必然」のようなモードで語られています。
そんな中で日本の防衛力強化についての言及がありますが、そもそも中国から尖閣諸島が攻撃を受けた際に防衛に支援をしてくれるのかということについて、かなり懐疑的に見られていて、そういう意味でも自前での防衛を可能にするだけの装備が必須だということですが、現時点では相当心許ない状況のようです。
特に、日本のサイバー戦への意識の低さが顕著で、ウクライナ侵攻においてもウクライナがロシアに対してサイバー戦で優位に立っていることが、絶望的なはずだった戦況をそれなりに維持していることにつながっていることからも、その重要性が自明だとは思うのですが、やたら防衛予算を増やそうとはするモノの、そこにはあまり意識がいかないようです。
実際、この本で書かれているほどの喫緊性があるのかどうかということの当否は別として、ありうべき危機に備えるという当たり前の姿勢が著しく欠如している現況はなんとかしないと…
