大阪府知事、大阪市長を務められた橋下徹さんが語る交渉術についての本です。
府知事、市長時代の橋下さんと言えば、「交渉」というよりもケンカ腰のスタンスを思い浮かべがちですが、”仇敵”の元明石市長泉房穂さんが市役所内での総スカン状態を『さらば!忖度社会』などの著書で語られているように、コチラ側の言い分を押し付けるだけではコトが前に進むことはないということで、意外と細かな交渉をされていたということを明かされています。
そんな中で橋下さんがこの本の中で繰り返し強調されているのが、自分の要求事項を細分化して、優先順位付けをしてどうしても「譲れないライン」というモノを意識して、極端に言えばそれ以外の条件を「撒き餌」として譲るといったスタンスをとることで、自分の要求を通すといった手法を語られています。
そういった交渉の「三つの手法」として、
・利益を与える(譲歩する)
・合法的に脅す
・お願いする
を紹介されていますが、やはり一定相手に対する優位性を確保することが交渉を有利に進める上でのアドバンテージになることは間違いありませんが、最悪懇願するという「方法論」もあるのですが、立場は弱くても相手側に「利益を与える」ことで、コチラが「譲れないライン」で交渉をまとめることも可能だということを語られていますが、そんな中で最も重要なのが「譲れないライン」を明確にしておいて、それ以外の条件を優先順位に基づいて、「譲る」ことで相手にとっては「利益を与える」ように見せることが可能となるということです。
この本が出版されたのは2019年で第一期トランプ政権の時期で、トランプ氏の交渉術について称賛されていますが、第二期政権同様、課題とも思える要求を吹っかけておいて、落し所を探るという交渉術は一定理想的なところだとおっしゃっていますが、あくまでもアメリカのパワーを背景にしたものだということでクギを指されています。
また、核兵器を背景にした金正恩の交渉術についても、「弱者の交渉術」としての理想形のひとつだということを賞賛されているのも印象的で、やはり基本的に橋下さんは好戦的なんだなぁ、ということで深くナットクした次第です…
