サブタイトルに『培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ』なんてあるもんだから、どんな内容かと恐る恐る手に取ってみたのですが、"深い"内容の本でした。
「進化史」ということで、食にまつわる様々なトピックについて、過去・現在・未来と言った構成で語られています。
そもそも食の変遷と言うのは、ホモ・サピエンスが雑食性の食事を選択したことに端を発すると言うことなのですが、この選択が人類の繁栄をもたらしたと指摘されています。
人類は生存していく為の食の選択をしていくことになりますが、そんな中で狩猟から農耕と言った変遷もありますし、地域毎だったり、宗教上の禁忌だったり、ベジタリアンやビーガンのように個人の思想に基づいて食を選択していきます。
また逆に食べるものによって、人間の形成が異なって行くことにも言及されていて、糖質の過剰摂取による糖尿病の罹患など、本来滋養の素であるはずの食が原因で体調を損なうことにもなっています。
そういった「進化」により、人間は中毒などのリスクを冒しながら様々なものを食べるようになってきたのですが、そういった進化の先にサブタイトルで提示されたようなモノがスタンダードなものとなる可能性もなきにしもあらす、ということみたいです。
ということで、科学的でもあり、哲学的でもあり、だからと言ってミミョーに難解なワケでもなく、深遠な本でした!