これまでもいろいろと中東諸国やイスラム教についての本を読んでは来たのですが、イマイチ、コレだ!という本には出合えてないような気がして色々と手を出し続けてはいるのですが…
この本はイスラム教国に限らず、北アフリカ~中東~西アジアの30ヵ国を、イスラム世界の歴史を差し挟みつつ、それぞれの国のプロファイルを紹介するという企画の本です。
この本の中でひとつウマいこと言ってるなぁ…と思ったのが、世界を人間のカラダに見立てたら、中東は心臓に当たるということで、なぜなら石油という血液を世界に搬出し続けるというフレーズに深くナットクさせられてしまいました。
また、かつてはオスマン帝国など、世界に冠たる帝国だった時期もあって、産業革命以降西欧諸国に押されてはいるモノの、文化的にも世界をリードしただけあって、それを受け継ぐ隠れたキラメキを放つ国家を紹介されています。
第二次世界大戦以降、イギリスをはじめとした西欧諸国の老獪というか、欺瞞に満ちた外交に苛まれて抗争を繰り返した挙句、弱体化してしまった居るという側面はありますが、オイルショック以降次第に存在感を取り戻し、その豊かなイスラム文化を背景に徐々に勢力を取り戻しつつあるということで、今後のリバイバルを期待したくなるような気がしました。