夫婦のトリセツ決定版/黒川伊保子

 

 

 『妻のトリセツ』が大きな話題を呼び、その後『夫のトリセツ』『娘のトリセツ』『家族のトリセツ』など家族をグルッと回ったトリセツシリーズも「決定版」ということで夫婦に帰ってきたというワケです。

 

 基本的にツガイとしての夫婦は生物学的に観て、自分にない要素を持つ相手をパートナーとして選ぶという側面があり、普段我々が思う相性という意味では、かなり良くない相手を無意識に選ぶんだそうで、夫婦を維持していくためにはそもそも相当な相手への配慮が必要であるはずなのですが、特に男性の側は、女性の側に甘えて、そういう努力を端折ってしまいがちで、そういう態度を『妻のトリセツ』による啓蒙で払拭されたいと思われたのかもしれません。

 

 この本では『妻のトリセツ』で語られたことの実践編というか、こう言われた場合の意図は実はこういうモノで、こういう風に返すと相手を傷つけない、もしくはあわよくば感謝される、といったようなケーススタディ的なモノも含まれています。

 

 例えば、ダンナが「おかずって、これだけ?」と発言したことに対し、ヨメはおかずが少ないことを非難されたように感じることが多いようですが、ダンナの側は、「これで全部?」という意味で、ゴハンをこれで食べきるとか、晩酌の段取りとかを考えているということで、深読みをする必要はないとおっしゃいます。

 

 このシリーズで一貫して伝えられている男女の脳機能の差異による思考癖の違いの意識を持っておくとともに、相手への思考癖への配慮を忘れないことが、良好な関係を維持するとともに、自分の精神衛生上にもメリットが大きいということです。

 

 ちょっとした気遣いで平和になると思えば、そういう手間を惜しむべきじゃないのかもしれないですよね!?