自民党の統一教会汚染追跡3000日/鈴木エイト

 

 

 安倍元首相の銃撃後、旧統一教会の問題がメディアに取り沙汰されていた頃は、文字通りテレビで見かけない日がなかったほどひっぱりダコだった鈴木エイトさんが、自民党が如何に統一教会に毒されていたかを追った軌跡を紹介した本です。

 

 この本では、統一教会が日本政界において徐々に影響力を浸透させていった過程や、エイトさんご自身が、「マザームーン」を連呼して教祖韓鶴子にすり寄っていった様子を連日放映されていた山本防衛副大臣や、統一教会との関連についてあいまいな答弁に終始し、岸田政権における閣僚の辞任ドミノの先陣を切った山際経済再生担当大臣への直撃の様子を紹介したりしています。

 

 統一教会が巧みなのは、あまり選挙に強くなく、選挙のたびに冷や汗をかくようなレベルの候補者への選挙支援を請け負って関係を深めていくところで、次第に言いなりにならざるを得なくなることで、この本では言及されていませんが、統一教会から選挙支援の引き換えに一定の政策を盛り込むよう署名させたということもあったということで、ヘタをすればこの国が統一教会の思うがままの政策を実行するようになりかねないということです。

 

 現に多くの国会議員が議席を維持せんがために統一教会に魂を売っていたということで、今回の銃撃がなければ知らぬうちにそういう国になってしまっていたんじゃないかと思うと、戦慄を覚えざるを得ません。

 

 統一教会問題の発覚以降、未だ国政選挙は実施されていませんが、徐々に統一教会に関する報道は影を潜め、ダラダラと質問権を行使はしていますが一向に解散命令につなげる気配はなく、自民党のいつもの悪巧み同様、国民の健忘症に付け込もうとしている作戦が成功を収めつつあるような気がして仕方ありません…