ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書

 

 

 約12年前に『ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書2』を紹介したのですが、最近次女がこの本を買ったのを見て手に取ってみました。

 

 2021年にテレビドラマの新シリーズが放送されて改めて脚光を浴びた『ドラゴン桜』で、それでこれらの副読本も改めて脚光を浴びたのでは!?と思うのですが、続編が学校で学ぶことと、それがどのように仕事に活きてくるのかということを語られて、学校の勉強の取り組みへのモチベーションを喚起するというカタチになっていましたが、正編のコチラでは主要五科目を中心に、如何にその科目自体に興味を持つかということについて、それぞれの科目のエキスパートに語ってもらうというカタチを取られています。

 

 「エキスパート」というのが親子三代の国語学者として知られる金田一秀穂さんだったり、「花まる学習会」を主宰し多くの教育に関する著書をもつ高濱正伸さんだったり、「感じる英文法」を提唱する大西泰斗さんだったりと、教育に関心のある人だったら良く知られた名前が並びます。

 

 結局、科目そのものを嫌うというのは、往々にして教える側に問題があることが多いというのは、多くの人が感じていることだと思うのですが、ただただ漢字や英単語を覚えさせたり、計算を解かせたりしたら、そりゃイヤになるでしょ!?ということだとは思います。

 

 特にワタクシを含めてニガテ意識を持ちやすい数学なんかだと、やたらと解かせて、失敗体験を重ねさせると誰でも拒否反応を示すだろうから、解くための観点みたいなもの…特に図形だったら如何に「補助線」を見出すか、というコツみたいなものを提示した上で、それに沿ったトレーニングを重ねて成功体験を重ねるようにすれば、そのうち面白さを見出す子が増えるだろうな、ということは容易に想像できるでしょう。

 

 また、やはり子どもも、実際の生活につながっていることが実感できるとヤル気につながりやすいようで、国語なんかだと、実際の生活に即した文章を書かせてみると、オトナがやってもかなり難しいんだけど、結構食いつくことがおおいようで、そういうカリキュラムもちょっと考えてほしいですよね…

 

 ただ、社会に関してのみ民間出身初の都立中学校長として知られる藤原和博さんの「よのなか」の取り組みのハナシで、あまりに実際の科目とかけ離れていて、藤原さんのハナシの中身がどうというよりも、多少は実際に科目で学ぶことに即した内容の方が得るものが多かったんじゃないかということで、人選ミスのように感じました。

 

 なんにせよ、まだまだ学校における教育内容というのは、子どもの意欲に配慮した内容にならないとなぁ、ということを改めて感じた次第です。