自己正当化という病/片田珠美

 

 

 何か不都合なことがあったり失敗したりしても、周囲のせいにして「自分は悪くない」と反省のカケラも見せない人って時折見かけると思いますが、そういう人のメンタリティについて精神科医の片田先生が紐解かれた本です。

 

 そういうメーワクな人たちと関わるのはカンベン願いたいところではありますが、実はそれを世界規模でやってしまったのがロシアのプーチン大統領なんだということで、「ウクライナのネオナチ問題の解決」という妄想に近い思い込みから軍事侵攻をしてしまったということですが、そういうところって実は自身の方がかなりヒトラーに近いメンタリティを持っていたことを指摘されています。

 

 こういう自己正当化のメンタリティというのは最近精神医学において指摘されるようになった「ゲミュートローゼ」という傾向なんだそうで、「良心の呵責も罪悪感もなく、被害者への同情心も憐憫の情もないので、殺人、放火、強盗、強制性交などの凶悪な犯罪を犯す。しかも、反省も後悔もしないため、犯行を平気で繰り返す累犯者になりやすい」という特徴があるそうです。

 

 こういう人たちって、自己愛が以上に強い人が多く、しかも何か自分だけが損をしているという被害妄想的なところがあって、だからこそ周囲に毒をまき散らしても当然という感覚を持っていることが多いということで、悪いと思っていないだけに手の付けようがないということです。

 

 昨今の日本におけるコロナ禍だったり不景気だったりということで、日本人の多くにこういう行動をするような傾向が強くなっているということで、ネット上のバッシングやクレーマー的な行動が顕著になっていることは、「ゲミュートローゼ」的なメンタリティを顕在化させる人が増えてしまっていることの証左だということです。

 

 そういう人からの被害を避けるには、とにかくそういう特徴を持つ人だということをいち早く察知して、距離をとることしかなさそうなんだそうですが、プーチンヒトラーのように世界規模でやられてしまうと、どうしたらいいんでしょう!?って感じです…