鉄道から見放された列車たち/池口英司

 

 

 ワタクシが「鉄」として最も熱心だったころは、国鉄もしくはJRが網の目のように全国に張り巡らされていましたが、新幹線網の拡充だったり、ローカル路線の利用者の減少だったりと様々な事情で、最近またかつてよりはだいぶライトな「乗り鉄」として復帰してみてみたら、大赤字に悩む北海道や、北陸新幹線の影響が顕著な信州、北陸など、信越本線北陸本線などの大幹線も寸断されている惨状にショックを受けた記憶があります。

 

 そんな中で新幹線を除くと長距離列車がほとんどといっていい程姿を消し、「富士」や「あさかぜ」といった一世を風靡した名列車も消えゆく運命にあったということで、かつて鉄路を彩った様々な列車の誕生から廃止(もしくは現況)までを紹介されています。

 

 ごく一部の列車は「つばめ」だったり「さくら」だったりという風に新幹線の愛称名として残されているモノはありますが、かつて「つばめ」とともに二枚看板だった「はと」は知らぬ間に姿を消していしまいましたし、特に飛行機や夜行バスなどに押されて、かつては隆盛を極めて「ブルートレイン」として人気を博した夜行列車も、今や「サンライズ出雲・瀬戸」を残すのみとなっており、そんな中で数多くの列車名が歴史の中に消えていきました。

 

 まあ、列車が消えることに寂しさを覚えるのは「鉄」のノスタルジアなんで大した問題ではないのかもしれませんが、かつては複数列車の分割・併合といったかなり芸の細かい運行をしており、それを支えるための様々なスキルがあったようですが、それをみがいてきた鉄道マンたちのプライドみたいなものも過去のモノとなってしまうのかと思えば、それは社会的な損失なんじゃないか!?と指摘されているのが印象的でした。